オーバープロネーション(かじょうかいない)とは?

足の動きの中で土踏まずが適切に形成されない:オーバープロネーション(過剰回内)

「歩行時の「足」と「脚」の動き」でご説明をした適切な足と脚の動きが実現されず、結果として、つま先が地面から離れるタイミングにおいても土踏まずが適切に形成されずに、土踏まずがつぶれた状態が継続している人がたくさんいます。

このように足の動きの中で適切に土踏まずが形成されない足の状態をオーバープロネーション(過剰回内)といいます。足がオーバープロネーション(過剰回内)の状態の場合、偏平足や開帳足といった足になります。

偏平足(へんぺいそく)

偏平足の足
土踏まずがつぶれた状態の足で、オーバープロネーション(過剰回内)の足が示す典型的な足の形態です。
土踏まずがつぶれた状態となっている偏平足はオーバープロネーション(過剰回内)の足が示す足の形態の代表的な事例

開帳足(かいちょうそく)

開帳足の足
足の指が広がった状態となる開帳足もオバープロネーションの足が示す典型的な足の状態
足の指が広がった状態となる開帳足もオバープロネーションの足が示す典型的な足の状態

このような足となる原因のひとつとして、かかと周りの骨の動きが適切な状態よりも大きいことが挙げられます。

ニュートラルな足とプロネーションの足
かかとの骨(踵骨)がどこまで傾くかという点については議論があるが、踵骨やその上の距骨のかみ合わせが緩いと、かかと周りの骨の挙動が大きくなり、足がオーバープロネーション(過剰回内)の状態となりやすい。
かかとの骨(踵骨)がどこまで傾くかという点については議論があるが、踵骨やその上の距骨のかみ合わせが緩いと、かかと周りの骨の挙動が大きくなり、足がオーバープロネーション(過剰回内)の状態となりやすい。

オーバープロネーション(過剰回内)の問題点

オーバープロネーション(過剰回内)がもたらす問題点についてご説明をするために、改めて歩行サイクルについておさらいをします。

歩行サイクル
柔らかい足、硬い足のサイクル

足が接地してから離れるまでの間に足は、柔らかい足と硬い足になります。柔らか足は、接地に伴う衝撃の吸収の役割を、そして、硬い足は、前に進むための推進エネルギーの効率的な伝達の役割を果たします。

ここでの説明は柔らかい足→硬い足という順番で説明していますが、柔らかい足になるためには、事前に硬い足になっていることが必要なのです。上記の説明の通り、オバープロネーション(過剰回内)の足が示す典型的な足の形態である偏平足の場合、常時土踏まずが形成されない状態のがめ、つねに柔らかい足になっている状態です。硬い→柔らかいという変化があってこそ、ある種のたわみが生まれ、衝撃をうまく吸収することができるのです。

この点から、オーバープロネーション(過剰回内)の帰結としての問題点のひとつは、足が本来持っている衝撃吸収の機能を低下させてしまう、ということです。

また、もうひとつの問題点は、足が接地している時間帯の中の90%程度を占める硬い足が適切に形成されないことで、足が接地してから地面から離れるまでの間の一連の動きのなか、効率よく地面に力を伝えることができない、という点にあります。この点は、「踏み出しに影響する関節:第1MP関節」でご説明する足の親指の関節の動きとも関連します。

もちろん、このような状態の足でも歩いたり走ったりすることはできます。他方、そのような足の状態では、本来以上に筋肉や体の他の部位に過度な負担を強いることになります。そのような状態が長期にわたると、体への負担が増えていき、結果として、足だけではなく足首、膝、股関節、腰ひいては肩、背中そして首などにも影響が出る場合があります。

事実、足がオーバープロネーション(過剰回内)の状態の場合、以下のような症状が生じうることが知られています。

  1. 外反母趾(がいはんぼし)
  2. 内反小趾(ないはんしょうし)
  3. 足趾屈曲変形(そくしくっきょくへんけい、ハンマートゥ)
  4. アキレス腱炎(あきれすけんえん)
  5. 足底筋膜炎(そくていきんまくえん)
  6. タコ(胼胝:べんち)・ウオノメ(鶏眼:けいがん)
  7. 強剛母趾(きょうごうぼし)
  8. 中足骨骨頭痛(ちゅそくこつこつとうつう)
  9. 種子骨炎(しゅしこつえん)
  10. モートン神経腫(もーとんしんけいしゅ)
  11. 後脛骨筋腱機能不全症(こうけいこつきんけん きのうふぜんしょう、PTTD)
  12. シンスプリント
  13. 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん、ランナーズニー)
  14. 膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)

逆に言えば、足や足首、膝、股関節、膝、肩、背中、首その他の体の部位についての不具合の原因として、オーバープロネーション(過剰回内)が想定されうる、ということです。

動きの中でアーチが形成されることが重要

では、オーバープロネーション(過剰回内)の足に対するアプローチとしては、直接的に、土踏まず、より専門的にはアーチを形成すればいいのではないか?という問いが浮かんでくると思います。私たちの答えとしては、半分YES、半分NOということになります。

というのも、歩行周期における足の動きと足の形でご説明したように、足の形は歩行のプロセスで常に変化するのです。たとえば、土踏まず部分をもちあげるようなサポートをいれるとアーチは形成されるかもしれませんが、アーチが崩れて衝撃吸収をしなければならないフェーズでアーチが上手く崩れることができない、という弊害を生みかねません。

その意味において、適切に足が動くようにオーバープロネーション(過剰回内)の足に対してサポートを行うためには、形を作る」のではなく、「動きを作る」という考え方が必要なのです。歩く、走るは動きであり、形ではないことを考えると、これは当たり前と言えば当たり前の事実なのです。

オーバープロネーションの足への対応として必要なのは、土踏まず部分も持ち上げてアーチを作ることではなく、歩行周期に合わせてアーチを適切に形成できる動きを実現すること

まずは足の状態の確認を。専門家へのご相談をお勧めします!

足の不具合などでお悩みの方は、まずご自身の足の状態、つまり動きの中で適切に土踏まずが形成されているのかを確認されることをお勧めいたします。

ご自身でも足の状態をご確認いただくことは可能です。

他方、足の仕組みは非常に複雑であり、その対処方法まで含めると専門家にご相談されることを強くお勧めいたします。Norhtwest Podiatric Laboratory(NWPL)社ファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®は、足の動きを最適化し、足を整えることでカラダを整えることを目的とした世界最高レベルのプロダクトです。そのサポート力を最大限発揮させるためには、専門家によるコンサルティングが必須です。

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NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールが目指すところは、過剰回内(オーバープロネーション)などのように足のアライメントが崩れている状態を是正することにより、足部に生じる痛みや不具合のバイオメカニクスの観点からの誘因となる動きを制御することにあります。

他方、足部に生じる痛みや不具合は様々な要因が絡み合って生じています。例を挙げると、靴、地面の状況、運動量、体重、運動に関する技術、体外から体にかかる力、筋力のバランス、柔軟性の欠如などです。結果として、これらを原因として連鎖的に生じる足部以外の他の身体の部位の痛みや不具合も同様に複合的な要因が複雑に絡み合って生じることとなります。

よって、NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールがその効果を発揮するためには、それぞれの不具合や痛み、もしくはパフォーマンスの向上を阻害している要因の発生原因を正しく把握することが最も重要なのです。

そのために、NWPL社認定の足の専門家が存在しています。

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