精巧な足の仕組み

レオナル・ド・ダビンチが言ったとされる「足は、人間工学上の傑作であり、最高の芸術品である」という驚きを私が感じた足の動きの総仕上げ?とでもいうべきご説明をいたします。

歩行プロセスのおさらい

その前に、「歩行時の「足」と「脚」の動き」のセクションでご説明をした歩行プロセスを少しおさらいしたいと思います。

右足を中心にみたときに、かかとが地面について体重が右足にのって、つま先が地面から離れていくというのが歩行プロセスの基本的な流れとなります。

オーバープロネーション(過剰回内)の状態の足は、かかとが地面について体重が右足に乗ってくるタイミングから踵が床から離れるタイミングで足のアーチ、いわゆる土踏まずを形成できません。「足の働き:柔らかい足と硬い足」でご説明した硬い足への切り替えができないのです。

このセクションでは、この硬い足への切り替えがうまくできないことのマイナス点について、推進エネルギーの効率的な伝達という観点からご説明をします。

結論からお伝えすると、足の親指の第1MP関節という関節が上手く曲がることができないことが原因となって、効率的に推進エネルギーを伝達できないという現象が現れます。具体的には、まっすぐ踏み出すことができずに、歩幅が短くなるといった現象です。また、その副作用として、タコウオノメといった不具合の遠因にもなります。

踏み出しのプロセスに大きな役割を果たす第1MP関節

つま先が床から離れる踏み出しのプロセスを想像いただくと、親指の関節が曲がることがご理解いただけると思います。この踏み出しに際して曲がる親指の関節を第1MP関節と言います。

第1MP関節は、母趾の付け根といわゆる母趾球(第1中足骨頭)とで構成する関節です。歩行サイクルにおける足先が床から離れるタイミングで重要な働きをします。

第1MP関節がしっかり曲がるためには、下図の右図の通り第1中足骨と言われる骨が下側に移動することが必要です。

さて、この時、オーバープロネーション(過剰回内)の足の場合、どのようなことが起きるでしょうか?ご想像のとおりですが、オーバープロネーションの足は蹴りだしのタイミグでもアーチを適切に形成することができないために、この第1中足骨が下に沈みこむスペースを確保することができないのです。

換言すると、「アーチの高さを決める要因は何か?」で述べた言葉を借りてくると、MTJロックがしっかりなされた状態が確保されてアーチが適切に形成されることが、第1MP関節が適切に曲がるための前提条件である、と言えます。

この連鎖は極めて精巧なものであり、冒頭で申し上げたレオナル・ド・ダビンチが言ったとされる「足は、人間工学上の傑作であり、最高の芸術品である」ということの一端を垣間見る思いがします。

第1MP関節が適切に曲がらないことによる問題

以下の写真をご覧ください。

右足の動きを見ていただきたいのですが、まずは左の写真から。この写真では確認できませんが、アーチがしっかり形成された結果、第1MP関節がしっかり曲がることで、まっすぐ足が踏み出せています。

次に右の写真。この足の状態では、第1MP関節が適切に曲がることが出来ず、結果としてつっかかる形となって、かかとを内側に巻き上げるような歩き方になっています。巻き上げ方は人それぞれで、かかとを外側に巻き上げるような動きになる方もいます。このような動きを「アブダクトリーツイスト」と呼んでいます。

右側の足の動きをアブダクトリーツイストと呼んでいる

私自身も右足がオーバープロネーションの状態になりやすい足であるため、Northwest Podiatric Laboratory(NWPL社)ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールのサポートがない状態ではアブダクトリーツイストが生じて、右の踵を内側に巻き上げるようにして走ります。その結果、右足の靴の踵部分のアウトソールで左足のくるぶしを蹴ってしまうというようなことがありました。

どちらの足の動きが歩行や走るという観点で、効率的にエネルギーを伝達できているかは明らかであると思います。

オーバープロネーションは、「オーバープロネーション(過剰回内)とは」のセクションでもご説明した通り、足や身体の不具合の直接の原因や遠因となることがあるのはお伝えした通りですが、第1MP関節が適切に曲がる前提条件を整えることができない、という経路をたどって、歩く・走るといったパフォーマンスにもネガティブな影響を与えるのです。

アーチの高さを決める要因は何か?」でお伝えした通り、NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールは、MTJのロックを適切にかけるためのサポートを提供することによって、オーバープロネーションの改善に寄与します。その結果、どうなるか?その通りです。第1MP関節がしっかり曲がるようになり、歩行のパフォーマンスが改善するのです。

NWPL社ファンショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールを用いることによる運動パフォーマンスの改善の詳細は、足のコラム「シューズに入れる、パフォーマンスを上げる!」をご参照ください。

本記事をご覧になられて、「自分の足はどうなっているんだろう?」と思われた方は、是非NWPL社のプロダクトを熟知した専門家・専門スタッフが常駐している取扱い病院・施設・店舗でお気軽にご相談ください。足に関するご相談からNWPL社ファンショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールの試し履きまでお客様のお悩みやご要望をお伺いいたします。

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NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールが目指すところは、過剰回内(オーバープロネーション)などのように足のアライメントが崩れている状態を是正することにより、足部に生じる痛みや不具合のバイオメカニクスの観点からの誘因となる動きを制御することにあります。

他方、足部に生じる痛みや不具合は様々な要因が絡み合って生じています。例を挙げると、靴、地面の状況、運動量、体重、運動に関する技術、体外から体にかかる力、筋力のバランス、柔軟性の欠如などです。結果として、これらを原因として連鎖的に生じる足部以外の他の身体の部位の痛みや不具合も同様に複合的な要因が複雑に絡み合って生じることとなります。

よって、NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールがその効果を発揮するためには、それぞれの不具合や痛み、もしくはパフォーマンスの向上を阻害している要因の発生原因を正しく把握することが最も重要なのです。

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