複雑な構造の足 vs 共通するトラブルの要因

人の身体はとても複雑な構造をしており、その中でも足の構造は突出した複雑さを有しています。例えば、骨の数。大人で約200の骨が存在してると言われていますが、片足で28個、両足で56個の骨が足に存在します。割合でいうと30%弱の骨が足に集中的に存在していることになります。

足はカラダを支える土台であり、足に生じる不具合は土台のゆがみを通じて、その上に部位、例えば、膝、股関節、腰、背中、首ひいては頭痛といった身体の不具合に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

このように複雑な構造の上に、カラダの土台としての重要な役割を担っている足。その複雑性から、足に生じる痛みやトラブルには様々な要因が関与しているのは事実です。他方、ある足の状態がさまざまな足のトラブルの原因となりえるということも事実です。

オーバープロネーション(過剰回内)が原因となりうる足のトラブル

その足の状態とは、「オーバープロネーション(過剰回内)」です。オーバープロネーション(過剰回内)とは何かの説明の前に、オーバープロネーションが直接的もしくは間接的な原因となりうる主として足のトラブルについては以下の通りです。

  1. 外反母趾(がいはんぼし)
  2. 内反小趾(ないはんしょうし)
  3. 足趾屈曲変形(そくしくっきょくへんけい、ハンマートゥ)
  4. 足底筋膜炎(そくていきんまくえん)
  5. アキレス腱炎(あきれすけんえん)
  6. タコ(胼胝:べんち)・ウオノメ(鶏眼:けいがん)
  7. 強剛母趾(きょうごうぼし)
  8. 中足骨骨頭痛(ちゅそくこつこつとうつう)
  9. 種子骨炎(しゅしこつえん)
  10. モートン神経腫(もーとんしんけいしゅ)
  11. 後脛骨筋腱機能不全症(こうけいこつきんけん きのうふぜんしょう、PTTD)
  12. シンスプリント
  13. 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん、ランナーズニー)
  14. 膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)

これらの足のトラブルや不具合を直接のまたは間接的な原因として、膝や股関節、腰、背中、首、肩などにおける痛みや頭痛を引き起こすこともあることが臨床的に確認されています。土台となる足のバランスが崩れることにより、その土台の上に載っている他の部分のバランスがくずれることがその原因です。

オーバープロネーション(過剰回内)とは?

このようにさまざまな不具合の原因となりえるオーバープロネーション(過剰回内)とはどのようなものなのでしょうか?ひと言でいうと、足のかかと周りの骨の結束が弱く、過剰に動く状態を意味しています。

この状態を理解するためには、この状態を二つの現象に分けて観察することが大切です。一つは着地にかかとの内側への倒れ込み方の程度、二つは横足根関節(おうそっこんかんせつ)という関節のロックのかかり具合です。順番にご説明します。

かかとはどこまで内側に傾くのか?

右足を後ろから見た図

オーバープロネーション(過剰回内)の状態を構成するひとつの現象として、着地するときにかかとが過剰に内側に傾いてしまうという現象があります。実はこの傾き度合いについては、諸説があり、いろいろなメディアでの解説されている図は過度な表現になっているのではないか?という見解もあります。

Northwest Podiatric Laboratory(NWPL)社の創業メンバーであり、理論的な支柱でもあるDr.Chrisは、かかとの骨(踵骨、しょうこつ)はそれほど内側に傾くことはない、という理論を展開しています。いずれにしても、かかと周りの骨の結束が弱く、程度の差こそあれ、着地の瞬間にかかとの骨が内側にかたむくという現象が、オーバープロネーション(過剰回内)を構成するひとつの現象として観察することができます。

この結果、どのような足の状態になるかというと、いわゆる土踏まずがつねに形成されない偏平足(へんぺいそく)です。

上記の偏平足の図からお分かりいただける通り、最大の特徴はアーチと呼ばれる足の高さを作るための構造が崩れてしまっており、足裏の全体がベターっと地面についてしまっている状態です。他方、このアーチの高さを決定する要因として重要なのが、2つめの現象としてご説明する「横足根関節」のロックのかかりやすさです。

MTJロック!これがアーチの高さの決定要因

横足根関節(MTJ)は、足を前足部と後足部に分ける境界となる、足の甲のつけ根に存在する関節

横足根関節(おうそっこんかんせつ、Mid-Tersal Joint)というのは、足を大きく前の部分と後ろの部分に分けたときに境目となる関節です。実はこの横足根関節、MTJのロックのかかり具合、言い換えるとしっかりとかみ合うか否かが足のアーチの高さを決める重要な要因なのです。

MTJの可動域の大きさがアーチの高さを左右する

以下の写真の下段は足のアーチの高さを撮影したものです。Dは典型的なオーバープロネーション(過剰回内)の足で荷重状態では土踏まずは形成されない状態です。

Dの足は左手でカカトを押さえて右手でゆっくりと捻ると、ほぼ垂直まで曲がります。この状態は足が浮いた状態ですが、このまま足の裏が地面につくところを想像してみてください。足の裏がぺたーっと地面についてしまう状態、つまり、オーバープロネーションの状態になることがご理解いただけると思います。

足の動きの中で、MTJがしっかりロックされる足(例えばAの足)は、例えば歩行中にもきちんとアーチが形成されますが、Dの足はMTJのロックがかかりにくい足のため、適切なサポートがないとアーチが適切に形成されず外反母趾に限らず様々な足の不具合の原因となりえます。

Dはこの足の状態を原因として、重度の外反母趾で悩んでいました。ネットの情報も含めて外反母趾に効果があるといわれているもののほとんどすべてを試しましたが、状況は改善しませんでした。

オーバープロネーション(過剰回内)の原因を理解した本質的な対応は?

Dのような足に対して、土踏まずを持ち上げてアーチをつくればよいのでは?ということで、実際そのようなインソールやツールも多数存在します。他方、私たちの答えはNOです。Dはそのようなインソールも含めたいろいろな対応策を試しましたが、効果はありませんでした。

大事なのは、形を作ることではなく、動きの中でアーチが形成されるように動きを導くこと、すなわち適切な範囲でMTJロックがかかるようなサポートを提供することなのです。

NWPL社ファンクショナルオーソティックス®やファンクショナルインソールの最大の特徴は、正にこのMTJロックのサポートにあります。これはアメリカ足病医学の下肢バイオメカニクス理論に基づいたものです。

上記のDは、NWPL社のフラッグシップモデルであるファンクショナルオーソティックス®であるNorthwest Superglass®を使用することで、外反母趾の痛みから解放されました。

足やカラダの問題に限らず、いろいろな問題への対応と同じで、目に見えている現象の本当の原因を、何故?何故?何故?と探求して、その真の原因に対応するための打ち手が問題解決のカギとなるのです。ROOT CAUSE、まさに木の根っこにある原因に目を向けることが大切なのです。

理論上のご説明は上記の通りですが、実際にはひとつのトラブルの背景には複数の要因が潜んでいることが大半です。足のトラブルでお悩みの方は、NWPL社のプロダクトを熟知した専門家に是非ご相談をしてください。NWPL社のプロダクトの試し履きも可能です。是非、ご自身でNWPL社のプロダクトがもたらす大きなインパクトをご体感いただければと思います。

NWPL社認定の専門家・専門スタッフにご相談ください。痛みのない生活の実現をサポートいたします。

NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールが目指すところは、過剰回内(オーバープロネーション)などのように足のアライメントが崩れている状態を是正することにより、足部に生じる痛みや不具合のバイオメカニクスの観点からの誘因となる動きを制御することにあります。

他方、足部に生じる痛みや不具合は様々な要因が絡み合って生じています。例を挙げると、靴、地面の状況、運動量、体重、運動に関する技術、体外から体にかかる力、筋力のバランス、柔軟性の欠如などです。結果として、これらを原因として連鎖的に生じる足部以外の他の身体の部位の痛みや不具合も同様に複合的な要因が複雑に絡み合って生じることとなります。

よって、NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールがその効果を発揮するためには、それぞれの不具合や痛み、もしくはパフォーマンスの向上を阻害している要因の発生原因を正しく把握することが最も重要なのです。

そのために、NWPL社認定の足の専門家が存在しています。

「痛みのない生活」、「健康な生活」、「美しく生きる」、そして、「運動を楽しむ」を実現されたい方は、是非NWPL社認定の足の専門家にご相談ください。皆様のお話をお伺いして一人ひとりの状況にあった最適なご提案を致します。

私たちはひとりでも多くの方を足元からサポートして健康寿命の延伸に貢献したいと願っています