三度目の正直、真夏の京都一周トレイル完走に挑む!
今年も暑い夏がやってきました。首都圏も暑い夏なのですが、京都の夏も暑いのです!街中で自分の影の色の濃さにびっくりするぐらい暑いです(笑)
その暑い真夏の京都で、トレイルフェストランニングカンパニーさんが開催する真夏のイベント、「走破せよ80K累積4000M 夏の京都トレイルhyper」
このイベントは、レースではなく酷暑の京都で自分の力を磨き込むために、日本全国から猛者が集まるトレイルランニングイベントです。
私はひょんなことから、このイベントを知り、今回が3度目の挑戦となります。一度は、スタート早々捻挫をしてしまい、途中でリタイアとなりました。二度目は、京都の夏の暑さにやられてこれまた早々にリタイア、、、。
特に去年は自身のトレーニング不足を自覚しながらの挑戦だったので、自分のトレラン史上、最も不甲斐ない結果に、情けないやら自分にしか向けようのない怒りやら、そういったものを早朝の京都駅で感じたことを今でも鮮明に覚えています。
去年の夏から今年の夏にかけて、球磨川リバイバルトレイル、UTMF2022といった目標としていた100マイルレースを完走し、ひとつの目標としていたマイルストーンは一応クリアしてきました。でも、この真夏の京都一周トレイルを走り切れいていないことが、心の中で引っかかっていました。
このイベントの醍醐味は、酷暑の京都で京都一周トレイルという壮大な舞台に挑戦できること、そして、何より、日本全国から集まって来る猛者の方々を物差しにして、自分がどれだけ成長できているかを確認できることです。
特に、トレイルフェストランニングカンパニーさんのチームの皆様は正に猛者、全国区の猛者ばかり。友人が「挑戦は自分の足りなさを実感するための舞台だ」とアドバイスをしてくれましたが、真夏の京都一周トレイルへの挑戦は、私にとってまさにそれ!です。
スタートは真夜中の伏見稲荷大社
京都一周トレイル、その名にふさわしく、正に京都市内をぐるっと囲む山々を巡る旅です。
冬には嵐山から伏見稲荷大社をつなぐ100Kを完走しているため、コースについては一定の知識があるつもりですが、こうやって改めてみると壮大なコースです。
帰宅の途に就くときに、京都駅で見かけたこの地図をみて、正にこれ!と思いました。
スタートは、深夜0時の伏見稲荷大社。荘厳な雰囲気の中、とにかく前半は抑えて入りたいと思いスタートしました。
暑さに対しては相対的に自身があったのですが、去年の夏の挑戦および今年の奥信濃100Kでの熱中症でのリタイアで自信を失っていたのも事実です。でも、野沢4100Dで自分なりに納得のいくレースができたことで少しばかり自信回復して臨みました。
夜の暑さがボディーブローのように効いてくる京都の夏
前述のように日が昇ると、自分の影の濃さにびっくりするほど暑い夏の京都なのですが、前々回及び前回の経験から私が感じているのは、夜の時間帯の「暑さ」への対応の重要性です。
もちろん夜なので太陽にじりじり照らされる暑さはない。しかし、湿度が高くとにかく蒸し暑い。汗が止まらない。水を飲みすぎる、補給が散漫になる。そしてなにより、猛者の皆様についていこうとするとオーバーペースになる。
去年は大文字山への上りから、これはついていけない、ということを自覚していました。そして、銀閣寺へ降りていき、比叡山に向かう入り口でギブアップ。もちろん足は残っていたのですが、精神的に折れていました。
なので、今年は夜明けまでの区間を抑えながら、しっかり猛者にくっついていく、という計画でいました。一定程度離されても、しっかりくっついて行こうと。
実際、銀閣寺附近のエイドにたどり着いたときには猛者集団から10分ほど遅れていました。去年力尽きたポイントです。でも、今年は気力も十分でしたし、しっかりついていけると思っていました。実際、比叡山に登る途中で猛者集団に追いつきました。
でも、私の実力はそこまででした。急登の局面でやはりついていくことができず、暑さで朦朧として補給を怠り、足元がふらつく状況に。トップチームのスイパーをしてくださっていたトレイルフェストランニングカンパニーの田口穣さんがチアアップしてくださり、なんとか比叡山のロープウェイの駅までたどり着くことができました。その間、田口穣さんからはとても貴重なアドバイスをいただきました。本当にありがとうございました。
比叡山で眺めた朝焼け。心に湧いてきた諦めてはいけないという気持ち
比叡山のロープウェイの駅にたどり着いたときには、自分でも明確に「このペースについていくことはできない」と自覚していました。
田口穣さんから「山縣さん、どうしますか?」と問われたとき、ギブアップかもしれない、という思いが心をよぎっていました。後から来る組に合流して、短縮されたコースで完走を目指すというのが、次にとれる選択肢でした。あんなに悔しい思いをした挑戦で、再び限界を目の当たりにして、その選択肢すら私には「本当にできるのか?」と思っていました。
そんな時に、トレイルランニングを本格的に始めたころからの戦友からLINEのメッセージが届きました。「どんな挑戦でもやり切ることに意味がある。気持ちを強く持って挑戦しなさい」という趣旨でした。
「そうだった、そうだった、まだ何も終わっていなかった!」
田口穣さんも「66キロでも真夏の京都を走り切れば必ず自信になる。ゴールまでたどり着てください!」との励ましのお言葉をいただき、腹が決まりました。後続のチームが来るまで、とりあえず疲労回復に努めるためにベンチに横になろうと決めました。
その時、ほんの30秒ほど真っ赤な朝焼けを眺めることができました。田口譲さんがおっしゃっていたとおり、贅沢な時間をたったひとりで堪能することができました。
そして、「諦めてはいけない、ちょっとずつでも積み上げて、また来年につなげないといけない」と心に決めました。
無心で走る炎天下の京都の山々
後続のチームといっても、これまた猛者揃い。もちろんついて行かなくてはいけないのですが、まだまだ先は長い。しっかりついていきながらも、無理をする必要はない、と思っていました。もともと、集団で走ることにあまり慣れていないため、後ろから足音が近づくのが好きでないこともあり、集団の最後尾について淡々と走りました。
この辺りからいろいろと思うところはあったのですが、とにかく歩を前に進めました。足は残っていましたし、前に進む気持ちもありました。一緒に走っていただいたチームの皆様からいろいろなお話をお伺いし、励ましていただたことで、このきついセクションを何とか乗り切ることができました。
酷暑の嵐山へ!這う這うの体でなんとかゴール
最終セクションの清滝・高雄へ向かう川沿いのコースで集団についていくことができず、一人旅となりました。GPXデータはトップ集団が通るコースでしたが、後続集団はどこかでショートカットすることになっていました。早く気づけばよかったのですが、私は後続集団がたどるルートを把握しておらず、どなたかが「清滝でショートカットして嵐山へ向かう」と話をされていたことを思い出し、清滝から嵐山へ。
高雄へ向かおうかとおもいましたが、気力も体力も限界に近かったので、来年に持ち越し、とりあえず今年はゴールを!と思い直しました。
スマフォの電波がぎりぎりだったこともあり、新しいGPXデータをダウンロードするよりは、Google Mapでゴールの茶屋を目指すことにしました。
嵐山はほんとに暑くて、焦げ付くかと思いました(笑)とにかく、シャワーを浴びてビールが飲みたい!それだけを思ってゴールを目指しました。
そして、いよいよ見えてきました渡月橋!
焦げ付くような酷暑の中、渡月橋の上で別のチームのリーダーの方が待っていてくれました。本当にすごい人たちだな、と思いました。私もやっぱりあの方のような強いランナーになりたい、と改めて目標を確認しました。
大きな宿題が残りました。
- 以前としてトップ集団には、前半戦すらついていくことができない
- 夏の京都一周トレイルフルコースを完走していない
また、来年、真夏の京都に帰ってきます!
足元を完璧にサポートしてくれたNorthwest Superglass®
暑さに朦朧とするなか、ケガだけは絶対に避けないといけないと思っていました。秋には、今年の本命レース第三弾、信越五岳100マイルも控えています。最初の挑戦でひどい捻挫をしてしまったこともありました。
他方、今回の挑戦には、その時いなかった頼もしいパートナーが足元をサポートしてくれました。NWPL社のフラッグシップモデルであるNorthwest Superglass®です。エースシューズであるLa SportivaのTX Guirdeとの相性も抜群で、疲れた足でも下りは自信を持って挑戦することができました。
今後もレースなどの経験を通じて、自分自身の言葉でNWPL社のファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®のことをお伝えしてまいります。
次のレースは2022年9月17日開催の信越五岳100マイル(トレイルランニング)です。私のロングトレイルのデビュー戦となったレースで、憧れの100マイルに挑戦します!
また、足のコラムでレポートいたします。
写真・文章 / 山縣茂信