球磨川リバイバルトレイルとは?

2020年7月、豪雨により氾濫した球磨川。清流 球磨川が“暴れ川”となりました。球磨川下流域に大きな被害をもたらし、復興も道半ばの状態です。被災地の状況をひとりでも多くの方が自分の目で見て理解するととおもに、ネガティブをポジティブに変えていこうと企画された九州初の100マイルのトレイルランニングレース。

私はトレイルランニングを初めて5-6年になります。

NHKのグレートレースという番組で富士山麓を駆け巡るUTMFの2018年のレースを目にして、いつかは100マイルレースを完走したいと思い、トレーニングを続けてきました。2020年のUTMFに参戦する予定でしたが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により中止。2021年も同様に中止となり、運のめぐりあわせもあり、この球磨川リバイバルトレイルの球磨川コース(全長172キロ、獲得標高9000メートル強)が人生初の100マイルレースへの挑戦となりました。

42時間弱の旅で学んだのは「諦めたら、そこで試合終了」

何を学んだか。それは、名作スラムダンクの安西先生の「諦めたらそこで試合終了」この言葉でした。

172キロ獲得標高9000m超の旅で2度諦めかけました。一度目は、眠さに襲われ、前に進むことが出来なくなったとき。これはだめだなって思いました。とにかく座りたい、横になりたい、という誘惑に勝つことができず、合計1時間ぐらいロスをしました。そのとき、後ろから来た方が「完走でいいんです!前に進みましょう!」とお声掛けをいただきました。私は存じ上げなかったのですが、とても大きなザックを背負った有名な方のようでした。

そのあと、Sweeperの方に追いつかれて、「あなたが最後です」と言われました。ㅤ「なんのために毎日練習してきたんだろうなぁ、まぁ、でも、またやればいいじゃない?でも、応援してくれた家族や仲間になんて報告するんだろうな、、、ま、いっかビールでも飲むか?、来月のUTMFは大丈夫か?しんどくなったらまたあきらめるのか?」ㅤそんなことが頭の中をぐるぐるしていました。

「ウォーターエイドではリタイアできないんですよね?」と聞きました。

「できません。次のエイドまで行っていただく必要があります。でも、まだ時間があるので間に合うじゃないですか?この大会に参加されるレベルの方であれば、次のエイドの1時間ぐらい残して間に合います。あとはあなたがそうしたいと思うかです。」ㅤ

素晴らしい朝日とともに覚醒

その時、素晴らしい朝日が昇ってきて、完全に覚醒しました。そうだ、まだトレーニングで蓄えてきた力の半分も出していない、ここで終わっていいはずがない、とギアが入りました。結果的には、このSweeperの方がおっしゃってくださった言葉通り1時間の余裕をもって関門クリア。なんとか戦線に復帰することができました。

「何故諦めるのですか?間に合うはずです!」

二度目は、最後の山、高岳。

最終関門は20:00。15キロの河川敷+ロードが残っており、19:00には最終エイドを通過していたいなとおもっていたところ、最後の高岳を登り始めたときには18:30。Sweeperの方ががっつり登って30分、下りで20分。3キロのロード、、、。諦めたらだめだと思いながらも、361メートルの高岳は信じられない急登。登り切った時点で体力のすべてを使い切った感じでした。自分の身体を支えるだけの力も残っていなくて、よろよろと下り始めました。

「あー、間に合わない。どう考えても無理だ」

その時、ヘッドランプの明かりが目に入りました。

エイドでお声掛けいただいたメディカルスタッフの方でした。

「応援いただいたのですが、もう無理です。間に合いません」

「いま19:00です。ここから下れば20分でロードに出ます。3キロほどロードがありますが、20:00前には関門につけます。関門までに少しでも時間を確保して、補給をしてください。そのあとは平たんなコースです。キロ8分を切れば間に合います、間に合います!」

そのあとのことは自分でも信じられないです。ボロボロだった前太ももの状態で、今までで一番いい下りができました。足がバラバラになるのではないかと思うぐらい限界まで踏み込みました。トレーニングの成果と信じたいのですが、そのような状況でギアを上げたことで、逆に足が復活して、前を走ってルートを見せてくれた方をひたすら追いかけました。

最終エイドには19:40に到着。5分は休むと決めていたので、水の補給をしてストックを片付けて残りの15キロ向けて準備をしました。キロ7分台で走る。いつもの朝ランはダラダラ走ってもキロ6分。残りたかだか1時間半。そう思えたのは、毎日トレーニングをしてきたからだと思います。

そして、無事完走。

2度諦めかけたときにお声をかけてくださった方、そして、必死な形相で走る私を応援してくだった皆様に本当に感謝です。

これでまた前に進むことができます。ㅤ

「あきらめたらそこで試合終了」

今思えば、少し違うかもれしれません。

「自分が諦めなければ、試合は続行」

たとえ、そのレースは完走できなかったとしても、自分が諦めなければ前に進める、そんなふうに自分の体験を振り返ることができます。

そして、私の挑戦は2022年4月に開催される予定のUTMF。この大会と信越五岳の100マイルを越えて、海外のレースを視野に入れて活動したいと思います。

球磨川リバイバルトレイル 球磨川コースを足元から支えてくれたパートナー

この挑戦を支えてくれたのは、NWPL社のファンクショナルオーソティックス®、Northwest Superglass®でした。100マイルの山岳レースの最終局面で日頃のトレーニングの成果を発揮できたのは、Northwest Superglass®のサポートがあってこそだと思っています。

足が限界、と思うことは何度もありました。でも、エイドで休憩をしてシューズに足を入れなおす度に足が復活するのを実感しました。ここからでも走り出せる、そんな風に思わせてくれたのは、Northwest Superglass®でした。今回の旅でも酷使しましたが、NWPL社が独自開発したカーボングラファイトを活用したSuperglass®のおかげでサポート力が減衰することはまったくありませんでした。

文章/山縣茂信


撮影/藤巻 翔

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