トレイルランニングの魅力を教えてくれた原点への挑戦

2022年7月17日に野沢温泉村で開催されたS-Mountain The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉2022

原点のレースへの挑戦

2022年7月17日に野沢温泉村で開催されたS-Mountain The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉2022に参戦してきました。

この大会は私にとても大切な大会です。トレイルランニングに真剣に取り組もうと思ったきっかけとなった大会だからです。

2019年のレースに初挑戦した際に大きな衝撃を受けました。それ以来トレイルランニングにのめり込みました。でも、新型コロナウィルス感染症の感染拡大などでレースが軒並み中止に追い込まれるなか、自分自身の弱さもあり、特に、この直近2年成長を実感できないでいました。

もちろん、その間目標にしていた100マイルレースについては、球磨川リバイバルトレイルおよびUTMF2022に参戦してなんとか完走することができたので、夢には近づいたはずでした。でも、自分の中では貯金で走っている感じがしており、成長は止まっている、というのが実感でした。誰と比べる必要もないのですが、周りでどんどん強くなっていく友達を横目に、山に向かう情熱もかつてに比べて減衰している感じがしていました。

極めつけは先月の奥信濃100K。20K地点で熱中症でリタイア。こんなことは今までで初めてで、登りを得意としているのに、その上りでどんどん抜かれていく自分。動かないカラダ。何をやっているんだろう、と悔しく思いましたが、どこか反発するバネのようなものを自分の中で感じられずにいました。

でも、立ち止まっていてもゴールにたどり着かないのはレースと同じ。奥信濃100Kが終わった時点ではまだ、S-Mountain The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉2022にはエントリーしていませんでしたが、空き枠があることを確認して、ここに向けてもう一度挑戦しようと思いました。

スタート地点を基点に3つのセクションで構成されるコース

スタート地点を基点に3つのセクションで構成されるコース

このレースのコース配置の特徴はスタート地点を基点に3つのセクションで構成されているということ。2019年当時、信越五岳の110Kに挑戦をしようとしており、他方、この距離を走ったことがなかったのでリタイアしても帰ってきやすい、という理由で選んだレースでした。しかし、精神的にはすぐそこにおいしいクラフトビールと良質な温泉が待っているところから、セクション2、セクション3へ出て行かなければいけないという精神的な辛さがあることを2019年の挑戦で嫌というほど味わいました(笑)

暑さに苦しんだSection1:遠い遠い毛無山の山頂

沢沿いを登り毛無山のピークを目指すセクション1

野沢温泉村の温泉街を5キロほど走ったあと、1600メートル強の毛無山のピークに向かって駆け上がるセクション1。天気予報では午後から雨ということで午前中もそんなに暑くならいないのでは、ということだったのですが、ばっちり太陽が顔を出し、赤滝の登山口から山に入るころには汗が滝のように流れ出ていました。このような暑さの中走ったことは、何度もあるのですが、汗が止まらないのはともかくとして、身体に力が入らない、というのは奥信濃100Kで初めて経験をし、今回も毛無山のピークまで向かう途上でも同じ状態でした。

「あー、またダメなのかな」、そんなことがずっと頭をよぎっていました。正直、調子は最悪でした。でも、友人が「今は調子が悪くても、そこを越えれば調子が戻って来ることもある」というメッセージをくれて励ましてくれました。正直これがとても大きかったです。いずれにしても、毛無山を越えてスタート地点まで戻らないとどうしようもないので、足を前に進めることだけに集中して歩を進めました。

延々と続く小菅神社 奥宮への参道で根競べのSection2

どこまでも続くように思われた小菅神社の奥宮まで続く参道

調子は未だ上がらず、とにかくスタート地点まで這う這うの体で戻ってきました。スタート地点に戻る手前のところで、岩井竜太選手ご夫妻がお声掛けいただき励まされました。

そして、給水地点に向かおうとしたところで、マラソン選手の吉田香織さんに出会いました。ゲストランナーとしていらしていることは知っていたのですが、お会いするにのは久しぶりでした。「きついコースですけれども、旅を楽しんでくださいね」とお声掛けいただき、「そうだった、そうだった。好きでやっているんだった、こういうこと。しんどい、辛いとばっかり思ってれば調子も上がるわけないよな」と気づきました。

長居は厳禁、ということで気力を振り絞ってSection2に向かいました。競技場から出るときにニューハレの近江祐輔さんが声をかけてくれました。レースでお会いするといつも声をかけてくれる近江さん。今回も大きな力をいただきました。

北竜湖のほとりを走っちるときに、とあるランナーに追いつきました。毛無山からの下りの浮き石がゴロゴロしているところで、「もうすぐ行けば浮き石の間から冷気が漏れ出ていて涼しい場所があるので頑張りましょう!」と後ろから声をかけてくれたランナーです。彼は、去年の大会でセクション1で熱中症でリタイアしたとのこと、今自分も辛いけど今回は諦めることだけはしない、ということでした。

その彼とほぼ同じペースで進み、たどり着いたのが小菅神社の奥宮へ続く山道。奥宮まで900メートルという表示が出ていたのですが、延々と続く山道は本当にきつかったです。でも、お互い引っ張りあうことで何とか奥宮の奥までつづく山頂までたどりつくことが出来ました。

下りで復活した足

気持ちのいいふかふかトレイルの下りで足が復活

そして、このころになるとようやく体に力が戻り始めて、ふかふかトレイルの下りに差し掛かったころには足も復活していました。友人が送ってくれたメッセージの通りだったのですが、「遅いよー、調子が上がるのが!(笑)」と心の中でつぶやきながら、大好きな下りを楽しむことすらできました。

ここからは気持ちも盛り上がってきて、スタート地点手前のゴルフ練習場の自販機でコーラを購入。前回もここでコーラを飲んだことを覚えていたので、セクション3に向けて補給をしました。

目標に向かって足が進んだSection3

きつい日差しも陰りはじめて、ようやく走りやすいコンディションに。Section3はロードや林道が多い区間でまず上り。ここで心掛けたのは歩くときに集中するために、右足に意識をおいて10歩、その次は左足に意識をおいて10歩、というように心の中で数えること。これは体のバランスを整える効果があるそうですが、私とっては集中力を著しく高める効果があります。このおかげで1.5時間ぐらい無心に上り続けることができ、ペースも大幅に上がりました。

Section1が不甲斐なかったので、記録はとにかく完走へと目標を切り替えていたのですが、調子はどんどん良くなり、下りに入ってもそれは続きました。ミズグチメソッドの水口慶高さんに教えてもらった下りの走り方を意識して、足のロッカー機能をフル動員。トレイルもロードも淡々と、でも、久しぶりに激走しました。キロ5分前半で15キロを走り切りることができたのは、大きな自信になりました。水口さん、ありがとうございます!

この走り方は、NWPL社の「足の動きを最適化する」ファンクショナルオーソティックス®Northwest Superglass®ととても相性がいいことを改めて確認しました。

でも、そんなに甘くない!(笑)60キロの表示が出たところから、65キロのレースなのであと5キロ。このまま行けば、目途のひとつとしていた12時間切りを達成できるかもと思って走りつづけました。ところが、ロードに入る手前のところですれ違ったスタッフの方?に「あと何キロですか?」とお聞きしたところ、「あと5キロちょいです。がんばってください!」とのこと。このとき一瞬、デジャヴかと思いましたが、前回の2019年のレースでも同じようなことがあったのを鮮明に思い出しました(笑)

正しい距離は分かりませんが、そこから計測した感じでは68Kはあったのではないかと思います(笑)。残念ながら12時間切りには至りませんでしたが、収穫の多いレースでした。

2年間前に進んでいる実感を得れずにいましたが、レースの場にいて励ましてくれた方々、そして、残念ながら今年は野沢にいなかったけれど、このレースを通じて挑戦することの魅力を教えてくれた方やメッセージをくれた友人がゴールまで連れてきてくれました。ありがとうございましした。

原点への旅もいつものエースシューズとNorthwest Superglass®で挑戦

トレイルのレースには、私にとってのエースシューズLa SportivaのTX GuideにNorhtwest Superglasst®が最強のコンビネーションです。

今回の旅も簡単な挑戦ではなかったですが、La SportivaのTX GuideとNWPL社Northwest Superglass®の最強コンビネーションが力強くサポートしてくれました。特に終盤の下りでは大いに力を貸してくれました。TX Guideでロードを走るのはもったいない(笑)のですが、もう少し軽ければロードシューズとしても秀逸なのではないかと勝手に思っています。

NWPL社のファンクショナルオーソティックス®およびファンクショナルインソールのラインナップ

今後もレースなどを通じて、自分なりの言葉でNWPL社ファンクショナルオーソティックス®およびファンクショナルインソールの魅力についてお伝えしていきたいと思います。

来年も野沢に帰ってきます。そして里武士のおいしいクラフトビールで乾杯を♪ RUN FOR BEER!!!

文章/写真:山縣茂信


撮影/藤巻 翔

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