六甲全山縦走路を駆け巡るMt.Rokko Cannonballrun
キャノンボールランという大会をご存知でしょうか?私も数年前までその存在すら知りませんでした。
大会の舞台は六甲全山縦走路。西は須磨から東は宝塚まで六甲山系の尾根伝いに延び、総距離は公称56km、最高峰は六甲山の931m、累計標高差は約2,800m。キャノンボールランではこの六甲全山縦走路の高取山を除いてレースが展開されます。特徴的なのがそのルールです。
エンジン以外何でもあり。人力、MTB、馬、ミニチュアポニー・ウィングスーツ、グライダー、スケボーなどなど、とにかく六甲縦走路を一番早くゴールした者が勝者です。
Mt.Rokko Cannonballrun エントリーサイト
私は人力専門ですが(笑)、実際あの山々をMTGやロードバイクを担いで走っている方が複数いらっしゃいます。以前の大会ではロードバイクを担いで私より圧倒的に速いペースで六甲から宝塚への下りのトレイルを駆け下りていく方を見かけて愕然としました。それでも、グライダーやスケボーの方は見かけたことはありませんが、、、(笑)
このレースには複数のカテゴリーが存在し、SPEED(片道)、POWER(往復)、RAINBOW(1.5往復)などとなっています。その他、大会のカテゴリーにはないですが、Over the RAINBOW(2往復)に挑戦される方もいるようです。今回も一人お見かけしました。
この大会の特徴は、このルールからも想像できる通り、自由にあふれた大会です。また、エイドと呼ばれる補給ができたり休憩ができたりする場所が、すべてボランティアによって運営されている点です。また、各エイドには各種「高級エナジードリンク」が用意されている点も素敵です!私はいくつもトレイルランニングの大会に出ていますが、このような自由な雰囲気にあふれ、地元の方々に愛されている大会は稀有な存在ではないかと思っています。今回で4回目となりましたが、春および秋の大会は、私にとっては年中行事となっています。
初回と2回目はPOWERに挑戦し完走。昨年の秋には初めてRAINBOWに挑戦しましたが、須磨浦公園スタートで往復までいきましたが、そこでGIVE UPとなりました。詳細は、「六甲キャノンボールランに参戦(20211016-17)」をご覧ください。
再びRAINBOWに挑戦
今回の大会では再びレインボーに挑戦しました。始発の新幹線に乗って一路空塚へ。ぼーっとしていて途中在来線で乗り過ごす、といういつものようなミスをしたものの無事宝塚の塩尾寺(えんぺいじ)の休憩所からスタート。
人生初の100マイルレースだった球磨川リバイバルトレイルでの経験を踏まえて、前半はとにかく抑えて入ること、最初の工程である須磨浦公園までは余力を残して走ることを心掛けて走りました。
今までになく集中して走れたこともあり、最初の急登となる六甲山までの登りも順調に上ることができて、「おー、今日は調子がいいな」って思っていました。
その後も順調に進むことが出来て、いつも楽しみにしている市原の桜茶屋で休憩。
ここのおでんと「高級エナジードリンク」である生ビールはサイコーなんです:-) 中でも、おでんの卵が絶品!おでんの卵とゆで卵を合わせて100個近くが完売するとのこと。
お店の方も私のことを覚えてくださっているようで、「今回も来てくれたんですね」とお声をかけていただき、とても嬉しかったです。今回こそ、ここで3度ビールを飲むぞ!と気持ちを引き締めて再スタートしました。
順調に須磨浦公園に到着。どしゃぶりの雨
桜茶屋を出発して、いつもしんどいなーって思う鍋蓋山と菊水山も順調に通過でき、「おー、なんかカラダが軽いなー」という実感でした。
それまで小振りだった雨が、須磨浦公園につくころには土砂降りの雨に変わっていました。長居すると体が冷えることもあり、自販機で温かいミルクティーを飲んでレインウェアを着てすぐに出発。ここでも体力は十分で下りてきた道を折り返しました。
特に、2週間前の球磨川リバイバルトレイルで気づいて、今回のキャノンボールで課題のひとつにしていた「下りで足を使いすぎない走り方」は有効で、足は十分残っていました。この走り方については、「下りでの足への負担を減らす走り方:ロッカー機能を意識する」をご参照ください。
再び桜茶屋へ
須磨浦公園を折り返してからも順調に推移。須磨アルプスあたりでそれまでの土砂降りが嘘のように上がって、はっと息をのむようなきれいな月が見えました。並走していた他のランナーの方と一緒に夜空を見上げました。
苦労するかなーって思っていた菊水山も順調に超えることができました。
でも、そこからがつらい道のりとなりました。鍋蓋山への上りで「睡魔」が襲ってきました。いままでのキャノンボールで「睡魔」に襲われたことはなかったのですが、今回はコンディションの調整がいまいちでした。意識がもうろうとして、一歩一歩進む足がとても重く感じました。中途半端に止まっても仕方がないことは分かっていたので、なんとか桜茶屋まで進むことにしました。鍋蓋山からの下りでも眠くてスピードを上げることができませんでした。
何とか桜茶屋までたどり解き、おでん+高級エナジードリンクをいただき、2回目の目標は達成!(笑)そして暖をとってウェアリングも見直して再出発。難関の天狗道に取り掛かりました。ここを越えればなんとかなる、と思っていました。でも、引き続き睡魔と戦うなかで、気持ちが折れ始めました。「いつまでつづくんだろうなー、この道」「雨はやんだけど、猛烈に寒い」「六甲山は風もつよいだろーなー」などなどネガティブな気持ちがどんどん心の中で膨らんでいました。
六甲山は雪
六甲ガーデンでラスあたりから雪が降り始めました。猛烈な風で横殴りに振る雪。装備は十分だったので、寒くて動けない、ということは全くなくて、足もまだまだ残っている状態でした。でも、気力が尽きるのを感じました。このあたりで、「無事下山して、家に帰ってお風呂に入って、温かいベッドで寝たい」モードに切り替わり始め、宝塚への下りを降り始めたときにコロロは完全にぽっきり折れていました。
無事塩尾寺の休憩所に戻ってきたときにはすっかり晴れ渡り、気温も上がっていましたが、心に決めた通り、そこで終了。足は残っていたのですが、それを動かすエネルギーである気力切れ。後悔するだろうな、と思いながらも、これが最後の挑戦ではない、と思いを定めて宝塚の駅まで下り、今回の挑戦は終了となりました。
塩尾寺の休憩所にはSPEEDに向かう方々が沢山いらっしゃって、お疲れ様でした、また来てくださいね!という温かい声をかけてくださいました。参加される方にも本当に愛されている素晴らしい大会だな、と改めて感じました。
ライフワークとしてのキャノンボールラン
日本でも走ってみたいレースも多数あり、世界に目を向けるとひとつの私の目標であるUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)などより多くの大会が存在します。そのため、二度三度走るレースというのはそれほど多くないのかもしれません。
でも、キャノンボールランは私にとっては特別です。年2回の年中行事として、その時の自分の実力を図る「物差し」であり、そこで出会える素晴らしい人たちとレースを楽しむ場でもあります。
いつかは「運営」サイドにも関与してみたいな、と思える素晴らしい大会です。私設エイドも楽しそうだなーと思います。市原の川べりでホットワインをいただいた方はを見ていてそのように思いました。
RAINBOWを完走して、「あー、しんどかった」ではなくて、「本当に素晴らしい旅だったな」と思えるようにまたトレーニングをします。
悪路だった今回のキャノンボールランも足元を支えてくれたNorthwest Superglass®
今回の六甲全山縦走路は雨の影響もあり厳しいコンディションでしたが、捻挫などのけがをすることもなく無事下山することができたのは、Northwest Superglass®のサポートがあってこそです。オーバープロネーションの私の右足をサポートしてくれる心強い味方です。足を残す走り方についても、まだまだ課題はあるものの方向性はまちがってはおらず、Northwest Superglass®とLa SportivaのTX-Guideとのコンビネーションでレベルアップできると思います。
次はUTMF2022。どんな旅が待っているか、楽しみです。
写真・文章/山縣茂信
NWPL社のフラッグシップモデル:Northwest Superglass®
NWPL社のフラッグシップモデルであるNorthwest Superglass®は、足の動きを最適化することを目的に設計・開発・製造された医療用足底挿板のファンクショナルオーソティックス®です。ひとりひとりの足の特徴をとらえて製造するため、「世界にひとつだけの」「あたなだけの」高いサポート力を有するオーソティックス(医療レベルサポート力を有するインソール)をお届けいたします。
Northwest Superglass®にご関心をお持ちいただいた方は、NWPL社のプロダクトを熟知した専門家・専門スタッフが常駐する病院・施設へお気軽にご相談下さい。フルカスタマイズのプロダクトですが、試し履きのサンプルを用意していますので、Northwest Superglass®の世界最高レべルのサポート力をご自身で体感いただけます。