夢の大会UTMF2022に参戦。100マイルの旅を堪能
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)との衝撃的な出会い
4年前にNHKのグレートレースという番組でウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)の2018年大会が特集され、放送されました。当時、私は仕事の関係でトレイルランニングというスポーツがあることを知り、レースに参戦したり、自分一人で山を走る楽しみを覚えたり、という状況でした。そして、目にしたUTMFの2018年大会。
何度も何度も見たので鮮明に覚えています。
第9エイドの富士吉田を出るまでスタートからトップを維持し続けたパウ選手。そのパウ選手を猛追するディラン選手。ラスボスである霜山の下り?でついにパウ選手をとらえたディラン選手。そして、19時間30分弱走り続けて、わずか3分ほどの差でディラン選手が優勝。敗れたパウ選手のさわやかな表情、長い旅を終えて称えあう二人。そのゴール手前でメダリストの島田泰さんがハイタッチで選手を迎え入れる。
日本人選手も土井選手と大瀬選手が健闘し、河口湖大橋を渡りながら、100マイルの旅があっというまだったこと、100マイルはやっぱり素晴らしいこと、そして、そうは言ってもしばらくは100マイルはもういいわ、と笑いあっている光景。
全く想像できない100マイルの旅。でも、その壮大さに一目惚れ?して、是非、走ってみたい!と思ったことを鮮明に覚えています。その時から僕がいつの日にかゴールテープを切るシーンは河口湖大橋を渡って、橋のたもとを左におりて、湖畔を走りながら目指すあの公園でした。そのシーンを目指してトレーニングをしてきたと言っても過言ではありません。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い止まった時計
2018年のUTMFをテレビで見てから、2020年大会に焦点を当てて、エントリーに必要な条件を満たすべく長めのレースにも挑戦を開始。初めての大会となった信越五岳2019で完走して、それまでためていたポイントと合わせてエントリーの条件を満たしたときの喜びを今でも鮮明に覚えています。そして、UTMF2020への挑戦権を得た時の興奮は一生忘れることはないと思います。
そのころ長年続けていた仕事について、本当に、この後もこの仕事を続けていくことが正しいのか?自分が本当に打ち込みたいことはなんなのか?と悩んでいたことも影響していたのだと思います。
自分がいままで挑戦したことのないような旅に挑み、自分が納得のいく成果を出すことができれば、きっと仕事でも新しい挑戦ができるのではないか?と考えていました。その意味では、大げさではありますが、私にとっては「人生の岐路」となる夢の大会となるはずでした。
しかし、2019年末から日本にも届き始めた新たな感染症の情報。そして、2020年初から急速に感染拡大を始めた新型コロナウィルス感染症。そもそも何なのかもよく分からない状況で、感染が急拡大するなか初の緊急事態宣言が出されたのが、2020年4月。そのような状況の中、UTMF2020はもちろんのこと、UTMF2021も中止に追い込まれてしまいました。
私にとってはの挑戦の時計は2年間止まったままとなりました。
このような状況の中、大会が大好きだった私も大会以外の楽しさを見つけようと、潮風みちのくトレイルにトレランスタイルでのひとり旅に出かけたり、とそれはそれで新しい楽しさを見つけたのも事実です。
でも、やっぱり"レースがないのは物足りない"という言葉だけでは表しきれない、何かがぽっかりかけた感じがしていました。そして、いつかはこの止まった時計も動き出す時がくることを信じて、トレーニングは継続していました。その間には、自分自身のキャリアについても新しい方向性を見出して、歩きだしていました。
動き出した時計:UTMF2022開催!
2年待ちました。
止まったままの時計が、ようやく動き出しました。UTMF2022は2022年4月22日15:30にスタートとなりました。
スタート地点に立った時は、もっと緊張するのかなって思っていましたが、意外に冷静な自分にびっくりしましたが、これから始まる旅に胸が高鳴っているのは実感しました。本当は人生初の100マイルの旅はUTMFでと思っていましたが、球磨川リバイバルトレイルで経験を積むことができたのは、結果としてはよかったと思います。
舞台は春の装いの富士山麓
UTMF2022の舞台は春の装いの富士山麓。前日に前半のハイライトである天子山地を、雨によるコンディションの悪化、トレイル保全の観点などから迂回することとなって距離も獲得標高も短縮されることが発表されました。個人的にはとても残念でしたが、それでもその舞台は極めて広範で、UTMFの何相応しいコースだと思いました。
晴天に恵まれた富士山麓の旅
2019年は雪で短縮となるなど、しばしば荒天に見舞われるUTMF。しかし、UTMF2022は晴天に恵まれ、随所で素晴らしい景色に出会うことができました。
そしてレースの醍醐味は友人との再会です。もちろん、レース以外の場所でも会えばいいのですが、レースでの再会は立場は違えど、最高なものです。
UTMF2022の旅のパートナーももちろんNorthwest Superglass®
前週の試走で左足の裏を少し痛めており、若干の不安を抱えながらの夢の舞台でのレースでした。実際、ロード区間も長く、左足の裏に痛みを感じながらの旅となりました。それでも、Northwest Superglass®のサポートがあったおかげで、走ると決めていた平坦な区間、上下の緩斜面についてはしっかり走るきることが出来ました。
結果として、タイムは目標よりも2時間程度超過して36時間を要しましたが、最後は笑顔で走ってゴールゲートをくぐることができました。
UTMFへの挑戦で私がトレイルランニングに関して立てていた大きな夢のひとつを実現することができました。これで止まってしまったままの時計は動き出し、また新しい挑戦に向けて前に進むことができます。
これからもNorthwest Superglass®のサポートを最大限活用して、しっかりトレーニングを積んで、海外レースにも参戦したいと思います。次のターゲットは、ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)です。ゴールに向かって山を下りながら目にすることになるシャモニーの街がどんなふうに見えるのかが楽しみです。
思えば、時計は止まっていましたが、いろいろな出会いがありました。
そのひとつがNorhtwest Podiatric Laboratory(NWPL)社のプロダクトとの出会いです。私自身がそのサポート効果を実感できることから、このプロダクトをひとりでも多くの方に届けたいと心から信じることができるプロダクトにかかわる仕事ができるのはとても有意義なことだです。そして、NWPL社のプロダクトを通じて、多くの方々とのご縁もいただきました。
私自身のトレイルランニングでの挑戦も含めて、自分自身のコトバでNWPL社のファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®のことをお伝えして参ります。
文章/写真:山縣茂信
Our Story
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