立つ・歩くことの重要性
人間は二足歩行を開始して進化を遂げてきました。その結果、手が使えるにようになったなどの進化という観点からのメリットがあったことはよく知られています。
しかしながら、立った姿勢で重力を感じることが体の老化防止という観点から重要であることはあまり知られていない事実です。
人類史上最も座っている時代
他方、現在、より多くの人が座って仕事をする時間が長くなり、立って重力を感じることが少なくなっています。じっとしていることの影響は、私たちの健康はもちろん、美や運動機能という観点でも大きな影響を及ぼしています。
宇宙飛行士は早く老化する?
立って重力を感じることと老化(に似た)現象との関係を究明したのはアメリカ航空宇宙局、NASAです。NASAでは、宇宙飛行士の健康をいかにして維持・促進をするかという観点で長年にわたって研究がなされています。宇宙飛行士が宇宙から帰ってくると、筋肉の衰えだけでなく、体の機能全般が低下するそうです。その現象は「老化」と類似していると言われています。
観察された症状としては、以下のような事例が「宇宙飛行士は早く老ける?」(ジョーン・ヴァーニカス著、向井千秋監修、白崎修一訳、朝日新聞出版社)で紹介されています。
1.血圧の調整がうまくいかない
2.有酸素運動時に体内に蓄えることができる酸素の量が少なくなる
3.骨からカルシウムが溶け出すことによる骨量の低下
4.赤血球の減少による貧血
5.免疫系の働きの悪化(暑さや寒さに敏感になる)
6.視力の低下
7.筋力の低下(特に背骨を支える筋肉、下肢の筋肉)
重力が果たす役割
しかし、この老化に類似した現象は、宇宙飛行士は、地球に戻ってきた後に、重力を感じることで、回復するそうです。このことを通じて、人間のカラダや健康に重力が大きな役割をしていることが明らかになってきています。
無重力空間で過ごしていることと似ている姿勢は?
地上に戻り、重力を感じるだけでは意味がないこともNASAの研究で判明しています。
NASAは無重力という特殊な環境下での生活が宇宙飛行士の健康に及ぼす影響を調査するための実験系の開発に取り組みました。宇宙に多くの人間を送り込んで、その体調の変化を研究するのは実務的にも無理があるためです。
その結果、寝たままの状態でずっといることが宇宙から帰還した宇宙飛行士の体の変化と酷似しているということが分かったのです。地上で寝たままの状態でいても重力を感じていることはもちろんですが、「重力の恩恵」を十分に享受できない、ということなのです。
人生に重力の恩恵を!
その意味では、ただ地上にいるだけでは、人間が進化の過程で受けてきた重力の恩恵を受けることができないのです。つまり、立って、歩く、このことは、ヒトが地球の重力の恩恵を受けるために必要な条件なのです。
平均寿命と健康寿命のギャップを埋めるために必要なこと
老化現象は、自分の足で歩けなくなる、自ら排泄行為を行えなくなる、自分で食べることができなくなること、という「老化の階段」を下っていくことだそうです。NASAとの研究と同様に、自分の足で立つこと、歩くことの重要性が強調されています。(「”歩く力を落とさない!”新しい足のトリセツ」:下北沢病院医師団著)
”足の動きを最適化する”、”足を整える、カラダを整える”
Northwest Podiatric Laboratory(NWPL)社のファンクショナルオーソティックス®およびファンクショナルインソールは、アメリカ足病医学の下肢バイオメカニクス理論に依拠し、長年にわたって蓄積してきた製造技術、そして、十分な性能を発揮するために必要な独自に開発した素材の3つの強みを背景に、足の動きを整える、足を整えることによってカラダを整える、という目的に特化したプロダクトを世の中に送り出してきました。
より多くの人が「重力の恩恵」を享受いただくために、NWPL社のファンクショナルオーソティックス®およびファンクショナルインソールをご利用いただければ私たちはとても幸せです。
文章/山縣茂信
参考/「宇宙飛行士は早く老ける?」(ジョーン・ヴァーニカス著、向井千秋監修、白崎修一訳、朝日新聞出版社)