世界No1.を目指す挑戦は続く


Contents

  1. 北京オリンピックに向けて取り組んだ2021/2022シーズン
  2. 念願のオリンピック出場!大舞台、北京オリンピックでの挑戦
  3. 世界一を目指す挑戦は続く

1.北京オリンピックに向けて取り組んだ2021/2022シーズン

2022年2月に開催されたオリンピックがシーズの大きな目玉となった2021/2022年シーズン。須貝選手はどのように本シーズンに臨んだのだろうか。

(須貝選手)今年は北京オリンピックというのがひとつの大きな目標でした。これまでのシーズンはシーズンを通して世界ランキングを上げていく、というのがシーズンの目標でした。よって、シーズンインする前に準備とトライを行い、そのプロセスで仕上がったものでのでシーズンを戦うというのが大きな流れでした。

他方、今年はオリンピックに照準を合わせていたので、ワールドカップのレースの中でも挑戦を続けました。特に、私はスキークロスは4シーズン目で、”他の選手を抜く"という技術は成熟していないところがあります。このレース中に"他の選手を抜く”ということはアルペン競技にはなく、また、その技術は経験によるところが大きいためです。他方、練習では、他の国の選手も含めてパートナーが怪我をすると迷惑がかかるので、本番ほどの強烈なせめぎあいのある展開に持ち込めない、持ち込まない、という事情もあります。よって、今シーズンはレース本番をそのようなトライの場として積極的に活用しました。

従前は4名のチームでワールドカップを戦っていましたが、今年は2名体制でした。彼も最終的にはオリンピックに出たのですが、仮に1人で出た場合にどのようなことが必要かといったこともシミュレーションしながら、一人でインスペクション(コースの精査)を行ったりといったこともしました。

スタートゲートでスタートを待つ須貝選手

その中で、Northwest Podiatric Laboratory(NWPL)社のフラッグシップモデルのファクショナルオーソティックス®Northwest Superglass®を使用し始めて、初めてのシーズンとなった2021/2022年シーズン。Northwest Superglass®のインプレッションについてお伺いした。

(須貝選手)インソールについては以前から興味があり、いくつかのインソールを試したことがあります。しかし、そのインソールが土踏まずのあたりを突き上げるような設計になっており、使っているうちに土踏まず部分に攣りそうな痛みを感じました。その結果長時間スキーブーツを履いていることができない、といった状態でした。特に雪上トレーニングで標高があがると痛みが強く出ることもありました。よって、練習中にスキーブーツを脱いで痛みが治まるのを待つ、といったこともしていました。

また、痛みを感じると、そちらに気が向いてしまいスキーに対する集中力が低下します。そのような経緯もあって、(荷重した状態での)足の形に合わせて作るインソールを使うことには怖さを感じていました。

そんな時に出会ったのがNWPL社ファクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールでした。2021年春に足の採型をして、スキーブーツ用にNorthwest Superglass®を、その他のトレーングシューズ用にNorthwest Fit®を作成していただき、使用を開始しました。以前使用していたインソールとは異なり、使用時に痛みがないということが大きな一歩でした。痛みがあると使えない、その意味で「痛みが生じない」というのは私にとってはインソールを使うための大前提です。よって、NWPL社ファクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールは安心して使うことができました。

北京オリンピックで使用いただいたNorthwest Superglass®と須貝選手

これは足の動きを最適化することにより、アーチを適切に形成することをサポートすることを企図したNWPL社ファクショナルオーソティックス®及びファンクショナルインソールの真骨頂である。つまり、形を作るのではく、適切な動きを作ることにより、適切なタイミングでアーチを形成することをサポートするのだ。

(須貝選手)痛みが生じないということは、マイナスがないということです。加えて、もちろんプラスの面がありました。具体的には、かかとの硬くて深いカップに、しっかりとかかとが収まることで足の安定感が向上しました。その結果、スキー板に傾きをつける動きの精度が上がりました。また、傾きがつけやすくなりながらも、かかと部分の安定性が増したことで、足全体もより安定したため、自分の強みである直進性の速さが失われなかったこと効果として実感をしました。つまり、操作性が上がりながら、直進性も維持されたということです。直進性の速さはアルペンから転向した私にとっては重要な強みのひとつですので、その強みを活かしながら、操作性を向上できたというのは大きなポイントです。

硬くて深いヒールカップ、これもNWPL社ファクショナルオーソティックス®及びファンクショナルインソールの重要な特徴のひとつである。詳細は、「NWPL社のファンクショナルオーソティックス®/ファンクショナルインソールの5つの特徴」をご覧いただきたい。

2.念願のオリンピック出場!大舞台、北京オリンピックでの挑戦

人差し指の関節ひとつ差で敗退した須貝選手。日本に大きな感動と興奮をもたらしたレースとなった。

アルペンから転向して4シーズン目。念願の出場を果たした北京オリンピックには、どのようなお気持ちで臨まれたのだろうか。

(須貝選手)初めてのオリンピックということもあり、緊張するのは間違いないな、と思っていたものの、どの程度緊張するかは不明だったため、自分が想定しうるマックスのレベルでの緊張に直面すると想定して臨みました。結果として、それほど緊張せずに、適度な緊張感を持って臨むことができ、結果として身体のコンディション調整もうまく行うことができました。それでもレース当日の朝、朝食会場に向かうときには緊張で身体の動きが鈍いな、と思いました。でも、周りをみるとスタッフも同じようにみんな同じように緊張している様子でした。とある選手は「緊張している選手をみて、自分も緊張する」と言っていました(笑)

シーディングランの前にゴールゲートが倒れてスタートが遅れたときにも、スタートエリアと待機コンテナと4-5回行ったり来たりしたとき、3回目ぐらいのときは、「これでもっと緊張するのかな」と思いましたが、4-5回目になると緊張が一段とほぐれてきて、レースには良いメンタルの状態で臨むことができました。

日本中が固唾をのんで見守った北京オリンピックでのレース。シーディングランでは、最初2位最終的には3位という結果で臨んだ決勝レース。どのようなレース展開だったのだろうか。

(須貝選手)北京オリンピックでは、スタートのセクション200-300メールありました。ワールドカップだともう少し短いコースもあります。ファーストターンに入るまでのこのスタートのセクションの順位というのがとても重要です。この順位で5割ぐらい決まるのではないか、というのが私の持っている印象です。この段階で4位だと2人、3人と抜いていかねばならず、非常にハードルが高くなります。

シーディングランではまさにスタートがはまりました。他方、決勝レースではこのスタートがシーディングランほどは上手くいきませんでした。滑りという意味では大きな差異はありませんでした。

タイム自体はあまり意味がないのがスキークロスの面白いところでもあります。というのも、4人で滑る決勝トーナメントでは、着順のため単純に速く滑ることに意味がいないのです。その意味では駆け引きのスポーツです。よって、あえて全力で滑らずに、勝負所を見極めるといったこともあります。例えば、その段階で追いついてしまうと左右にスペースがなくて追い越せないといったときは、あえてスピードを上げずに後ろについていくといったことがあります。北京オリンピックのゴールストレートは逆で左右にスペースが十分あるので全力で抜きに行く、といった展開でした。

北京オリンピックで滑空する須貝選手

スタートで少し出遅れた決勝レース。どんな気持ちでレースを進めていったのか?

(須貝選手)スタートでは少し出遅れたものの3位というポジションだったので、「まだ行ける!」と思って滑っていました。もちろんスタートで前に出れれば良いのですが、内容的にはそこまでは悪くない展開でした。最後のゴールストレートにも自信を持っていました。その前の段階でも何度か抜こうとトライしたのですが、どうしても追いつくことが出来ず、ゴールストレートでの勝負になりました。最後に180度近く曲がってゴールストレートにつながっていくポイントでの加速が勝負所なので、そこは細心の注意で臨みました。

最後にジャンプをして着地したあとに、ゴールまで少し距離があり、ゴール地点では自分の板が前に出ていることは分かっていたので、「勝ったな!」と思っていました。なので、写真判定になったときも、それほどドキドキせずに結果を待っていました。なので、負けの判定が出たときには、自分自身も「まさか!」とびっくりして、とても悔しかったです。

あれほどの僅差の判定はワールドカップでもなかなかない、とても稀な展開でした。インタビュー後は悔しくて涙を流しました。そして、あまりにも悔しくて、どうしようもなかったので(相手選手の)腕の長さを計測させてもらいました(笑)。

奥に見えるのが須貝選手。人差し指の関節ひとつ分という僅差。これほどの僅差での決着はワールドカップでも稀だという。

「北京オリンピックは今まで応援してくれた皆様への恩返しの場」と前回のインタビューで話されていた須貝選手。北京オリンピックを終えて、今まで須貝選手をサポートされてきた皆様の反応はどのようなものだったのかお伺いした。

(須貝選手)皆様が本当に喜んでくださり、「今までになく白熱して、感動をした」というお声をかけてくださって、私もとても嬉しく思いました。ルールにについて、とても熱く語ってくださる方も多数いらっしゃいました、「スキー板が先に入ってるのになぜ須貝さんが負けまのか?」といった具合に(笑)

「自分が北京オリンピックで滑る姿を多くの方に見ていただいて、日本においてスキークロスに関心を持ってくださる方をひとりでも増やしたい、という須貝選手の想いは達成されたのではないだろうか?

(須貝選手)スキークロスを多くの方に知っていただくきっかけとなったことは大変うれしく思います。ここからもっとスキークロスを多くの方に知っていただきたいですし、私の活動を通じてスキークロスを始めました、というような選手が増えてくることを願っています。そのためにも、私自身がまだまだ活躍をしていかないといけないな、と思いを新たにしています。

3.世界一を目指す挑戦は続く

ワールドカップで自身2度目となる表彰台に上がる須貝選手

北京オリンピック後に更なる飛躍を自身に誓って臨んだワールドカップでは、自身2度目となる2位表彰台に上がる快挙を成し遂げた。

(須貝選手)北京オリンピックで指の差で1回戦で敗退したことはとても悔しいことでした。でも、何より世界一を目指している中、まだ一度も世界一になったことがないことが私の中で悔しさとしてあります。昨年ワールドカップで2位になったときは、確かにうれしさはありました。他方、今回の2位は「また世界一ではない」という意味で大きな悔しさを感じています。

ワールドカップもオリンピックもそうですが、本番の前に公式トレーニングがあります。公式トレーニングではタイムを計測するのですが、そのタイムでも一番になったことがありませんでした。今回2位になったワールドカップでは、本番当日の公式トレーニングのタイムで初めて一番になりました。もちろん、成績にも関係しないし、非公開のタイムですが、こういった「世界一」をひとつひとつ繰り返していくことで、世界一にたどり着けるのではないかと考えています。

この先も世界No1を目指す挑戦は続きます。Northwest Superglass®とともにその挑戦を続けていくことができればと思っています。そして、4年後のイタリアのミラノ・コルティナオリンピックで金メダルの夢を実現したいと思います。

また、私自身の挑戦と並行して、ジュニア育成にも力を入れていきます。スキーの技術もさることながら、「スポーツの楽しさ」「世界での経験」「夢をかなえるための努力」「夢の舞台オリンピック」「挑戦することの素晴らしさ」などを伝えていければと考えています。

ワールドカップの後、全日本選手権の二連覇を達成された須貝選手。スキークロスの日本における第一人者としての地位を確固たるものとされました。

日本選手権2連覇後の記念撮影。日本におけるスキークロスの第一人者としてのポジションを確固たるものとした。

世界一を目指す須貝龍選手の挑戦、私たちから足許から須貝龍選手をサポート致します。須貝龍選手の今後の活躍も随時、NWPL-足ナビの「Our Story」でお届けいたします。乞うご期待!


写真:須貝龍選手ご提供、取材・文:山縣茂信

お話をお伺いした方

須貝龍(すがいりょう)選手
スキー選手
チームクレブ所属
新潟県出身、1991年12月11日生まれ。

幼少期からスキーを始める。高校3年の夏からヨーロッパに活動の拠点を移す。2011年アルペンスキー世界ジュニア選手権大会に日本代表として出場。同年、全日本スキー選手権大会スーパー大回転で優勝、大回転で準優勝の成績を収める。

その後、2018年にはワールドカップで日本人としては30年ぶりに入賞。2019年からアルペンスキーからスキークロスに転向。転向初年からワールドカップで15位、16位と大健闘。2020年にはワールドカップで5位入賞。2021年にはワールドカップ2位となり、スキークロスがオリンピック種目に採用されてから日本人初の表彰台となる快挙となった。

2022年2月には念願の北京オリンピックに出場を果たし、指先の差という僅差で1回戦で敗退するものの、日本に大きな興奮と感動をもたらした。北京オリンピック後のワールドカップでは、自身2度目となる2位表彰台を実現。その後の日本選手権においても二連覇を果たす。

WCポイントランキング19位、FISポイントランキング13位(見込み)(2022年3月30日時点)


記事でご紹介しているファクショナルオーソティックス®およびファンクショナルインソール 

 

Northwest Superglass®

(ノースウェスト スーパーグラス)

主な特徴

  • Northwest Podiatric Laboratory社(以下、NWPL社)の最高峰フラッグシップモデルの医療用足底挿板であるファンクショナルオーソティックス®です。
  • 「機能的な」という意味のファンクショナルの名の通り、ひとりひとりの足の骨配列や形状を考慮して、足の適切な動きをサポートすることを目的としています。

 

 

Northwest Fit®

(ノースウェスト フィット)

主な特徴

  • 一足一足をアメリカの工場で成型し日本へ!最高峰のカスタムメイドインソール
  • Northwest Podiatric Laboratory社製医療用足底挿板 “Superglass"をベースに開発されたカスタムメイドインソールです。 (※ 医療用製品ではございません。)
  • 特別な教育を受けた取扱店舗の認定スタッフが、左右の足それぞれの安定したポジションを確保し足型を採型します。
  • 採型された電子石膏データに基づき、一足一足、職人が作成・加工を行います。
  • 自分だけの「究極のフィッティングツール」としてご利用頂けるインソールです。