ファンクショナルインソールが硬くなければ”いけない”ワケ

本記事の要点:

  1. ファンクショナルインソールは、足の骨配列を整えることにより、足の本来の動きの実現をサポートするものである
  2. 多くの足や身体の痛み・不具合の原因であるオーバープロネーション(過剰回内)への対応もそのひとつ
  3. オーバープロネーション(過剰回内)の足は、かかと周りの関節が必要以上に大きく動くことにより、足が内側に倒れ込んでおり、足の適切な「揺らぎ」を実現できない。
  4. 運動時に足にかかる荷重を支えながら、この「揺らぎ」を実現するために、ファンクショナルインソールは硬くなければならない
  5. 足にかかる衝撃・負荷に対する対応としても、まずは硬さにより衝撃を緩衝し、その上で緩衝しきれなかった分については、かかとの脂肪体で吸収する。そのためにも、ファンクショナルインソールは”硬い"素材で形成する深いヒールカップが必要

1.硬いインソール:Counter-intuitive(直観に反する。しかしながら、本質的には正しい)

インソールと言うと、「柔らかくて気持ちがいいもの」「柔らかい素材で衝撃を吸収し、足への負担を減らすもの」というイメージが一般的のように思われます。これは日本に限ったことではなく、ファンクショナルインソールの母国であるアメリカでも同様のようです。この話は別途いたします。

現在、NWPL(Northwest Podiatric Laboratory)のファンクショナルインソールを日本国内に独占的に広めることを生業としている私たちは、1983年以来40年にわたって、ファンクショナルインソールの働きを知るために、アメリカ足病医学の下肢バイオメカニクス理論の必要な部分についての知見を深めました。そして、インソール=柔らかい、という一般的なイメージは、少なくともファンクショナルインソールにとっては、全く当てはまらないものであるという結論を変わることなく維持しています。

このことを通じて思い出すのは、前職で叩き込まれた”Counter-ituitive"という言葉です。直訳としては、「直観に反してにわかには理解できない」といった意味です。でも、ビジネスシーンなどでは、もう一歩踏み込んで、「だけれども本質的には正しい」という点が重要なのです。他と同じことをしていてはもうからない、とかそういうレベルの話ではなく、真実は思い込みに隠されていることが多いので、「本当にそうか?」という健全な懐疑心を持ち続けて、データなり性質なりを見極めることが必要、ということです。

2.そもそもファンクショナルインソールはどのようなサポートをするのか?

さて、何故、ファンクショナルインソールは硬いのか?硬くないといけないのか?についての説明の前に、そもそもファンクショナルインソールってどんなサポートをするものなのか、についてお話をします。

ひと言で説明すれば、「足の動きを最適化する」もしくは「足本来の動きを実現する」ということになります。でも、これでは説明にならないので、足や身体の痛みや不具合の多くの症例の遠因もしくは直接の原因となる足の状態である「オーバープロネーション(過剰回内)」について説明をします。急がば回れ、なので少しお付き合いください。

足は動きの中で内側に倒れたり(回内)、外側に移動(回外I)したりします。オーバープロネーションの足の状態では、過度に内側に倒れ込みすぎて、足が回外できないために、足に過度な負担がかかり、足や身体の痛みや不具合の遠因もしくは直接の原因となります。

オーバープロネーション(過剰回内)とは、かかと周りの関節が適切な範囲を超えて大きく動いてしまうために、足が内側に過度に倒れ込んでしまう足の状態を意味します。多くの方の足を診てきた私たちおよびTEAM NWPLのメンバーの経験に基づくと、7-8割の方々程度の差こそあれ、オーバープロネーション(過剰回内)の状態の足です。オーバープロネーション(過剰回内)の状態の足だからといって、必ずしも足や身体に痛みや不具合を抱えているわけではありません。運動強度x運動頻度x体重、が重要な変数になるためです。また、年齢も大きく関係します。この点については、「代償」という概念が大きく影響します。「代償」については、NWPL社のファンクショナルインソール・ファンクショナルオーソティックス®の革新性にて詳述しているため、そちらをご覧ください。

オーバープロネーション(過剰回内)の足の大きな問題は、足が内側に倒れ込みすぎるために、足の適切な動きの中で必要な外側への移動(回外)ができないことなのです。これにより足に限らずカラダの他の部位の痛みや不具合の直接の原因若しくは遠因となります。この点については、「オーバープロネーション(過剰回内)大全(β版)(2023年1月24日更新)」に詳述していますので、是非ご覧ください。

そして、いよいよ本論です。NWPLのファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®が提供するサポートは、正にこの点に直結するのです。

NWPLのファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®は、その特殊な形状によって、足が適切に「揺らぐ」ようにサポートするのです。この点については、「オーバープロネーション(過剰回内)がもたらす問題」で詳述しています。そして、そのためには足に係る荷重を支えなくてはならないのです。柔らかいと内側に倒れ込んだ足を外側に移動させることができないことは想像に難くないと思います。

3.足に係る荷重はとてつもなく大きい

運動時には足に大きな負荷がかかります

運動時に足に係る負荷については諸説があるものの、ゆっくり歩くときでも体重の1.2倍、走る時には3倍、ジャンプするときには6倍の負荷がかかると言われています。平均的な大人の一日あたりの歩数(これまた諸説がりますが)7,500歩を前提に、体重60キログラムとすると、一日540トンの負荷が足にかかっていることになるのです。

このように運動時には足に大きな負荷がかかるため、足に適切な「揺らぎ」をもたらし、足の動きを最適化する、足の本来の動きを実現するというファンクショナルインソールの本来の機能を果たすためには、”ファンクショナルインソールは「硬くないといけない」”、”ファンクショナルインソールは「硬さが命」”、なのです。

4.衝撃吸収?頭に物が落ちてくる時に選ぶのはヘルメット?それとも防災頭巾?衝撃緩衝→衝撃吸収という流れ

頭を守るため、ということであれば自明のことと思われることが、何故足では???な選択肢が選好されるのでしょうか?

冒頭申し上げた「インソールの一般的なイメージ」、即ち柔らかい素材で衝撃を吸収する、について別の観点からご質問です。頭の上に何か硬いものが落ちてくるとしたとき、頭を守るために硬いヘルメットと防災頭巾が目の前にあって、どちらを使ってもいいよ、と言われたときはどちらを選ぶでしょうか?私ならば、迷うことなくヘルメットを選びます。皆様はいかがですか?

MotoGPライダーでNWPLのファンクショナルインソール、Northwest Fit®をご利用いただいている中上貴晶選手が愛用されているアライヘルメット。そのウェブサイトに、ライダーの頭部を守るための基本的な考え方が記載されています。

衝撃はできるだけ「かわす」。そして、かわし切れなかった分は「吸収」する。

アライヘルメット Website : chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.arai.co.jp/jpn/arainews/images/an_1309.pdf

NWPLのファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®も同様の発想に基づいています。つまり、まずは衝撃を散らす、衝撃緩衝が必要なのです。例えば、アメリカンフットボールの防具なども同様の思想に基づいていると思われます。

では、「かわし」切れなかった衝撃はどうするのか?NWPLのファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®が硬くないといけない理由の背景が隠されているのです。

衝撃吸収については、人間の足が持つ本来の衝撃吸収ための機能を最大限発揮するためのサポートをするのです。その「人間の足が持つ本来の衝撃吸収のための機能」とは、かかとにある「脂肪体」です。

Mechanical Modeling of Healthy and Diseased Calcaneal Fat Pad Surrogates By Arnab Chanda and Stephen McClain より引用

この脂肪体がしっかりとまとまっていると、足にかかる負荷を吸収してくれるのです。

しかし、オーバープロネーション(過剰回内)の足では、足に大きな負担がかかり、結果としてかかとの脂肪体が本来の厚みをキープでいない、という状態が発生します。これを防ぐためにも、NWPLのファンクショナルインソールおよびファンクショナルオーソティックス®は硬くて深いヒールカップを有しています。これがファンクショナルインソールが硬くなければならない2つ目の理由です。

5.硬いインソールは痛い?感動を体験した方の反応は、異口同音、「え、なにこれ?!」

これだけ「硬いインソール」を強調すると、NWPL社ファンクショナルインソールファンクショナルオーソティクス®は靴に入れたら痛いのではないか?と懸念される方も多いと思います。事実、TEAM NWPLにてお客様にサンプルをお渡ししたときの反応は、「え、こんなに硬いんですか?痛くないですか?」です。でも、しっかりフィッティングを行い、試し履きをされたときの反応は、異口同音、「え、なにこれ?!」です。硬いものを入れているはずなのに、むしろ柔らかさを感じて驚かれるのです。それは上述の通り、かかとの脂肪体がきゅっとあつまって本来持つ機能を果たすからです。逆に言うと、正確なフィッティングがとても重要です。

NWPL社ファンクショナルインソールファンクショナルオーソティクス®をお取扱いいただくTEAM NWPLの皆様には、必要な研修を履行いただき、足の専門家としての知識、スキルを身につけていただいています。

5.NWPLのある生活への一歩を踏み出してください

ご関心をお持ちいただいた方は、是非NWPL社ファンクショナルインソールファンクショナルオーソティクス®を知り尽くしたプロフェッショナル集団であるTEAM NWPLのメンバーにお気軽にご相談ください。皆様のお話をお伺いし、足の状況を拝見した上で、最適なご提案をいたします。

NWPL社認定の専門家・専門スタッフにご相談ください。痛みのない生活の実現をサポートいたします。
TEAM NWPL ファンクショナルインソール ファンクショナルオーソティックス® NorthwestSuerpglass NorthwestFit LifeOTC 三日月整骨院 DRSONA高田 DRSONA桐原 シューマート 輝く羽 風の里クリニック ふうき

NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールが目指すところは、過剰回内(オーバープロネーション)などのように足のアライメントが崩れている状態を是正することにより、足部に生じる痛みや不具合のバイオメカニクスの観点からの誘因となる動きを制御することにあります。

他方、足部に生じる痛みや不具合は様々な要因が絡み合って生じています。例を挙げると、靴、地面の状況、運動量、体重、運動に関する技術、体外から体にかかる力、筋力のバランス、柔軟性の欠如などです。結果として、これらを原因として連鎖的に生じる足部以外の他の身体の部位の痛みや不具合も同様に複合的な要因が複雑に絡み合って生じることとなります。

よって、NWPL社ファンクショナルオーソティックス®ファンクショナルインソールがその効果を発揮するためには、それぞれの不具合や痛み、もしくはパフォーマンスの向上を阻害している要因の発生原因を正しく把握することが最も重要なのです。

そのために、NWPL社認定の足の専門家が存在しています。

「痛みのない生活」、「健康な生活」、「美しく生きる」、そして、「運動を楽しむ」を実現されたい方は、是非NWPL社認定の足の専門家にご相談ください。皆様のお話をお伺いして一人ひとりの状況にあった最適なご提案を致します。

ファンクショナルインソールって世の中に沢山あるインソールと何が違うの?という疑問にお答えする動画はこちら!

私たちはひとりでも多くの方を足元からサポートして健康寿命の延伸に貢献したいと願っています