膝痛・捻挫を乗り越え
41歳プロマウンテンアスリート・山本健一、
ただいま人生絶好調
Contents
- 出会うべくして出会った山岸氏とヤマケン
- 初めて耳にした『バイニーアプローチ』
- 『Northwest Superglass®』とインソールを使い分けて「足力」を高める
- 41歳にして人生最高のパフォーマンス
1. 出会うべくして出会った山岸氏とヤマケン
ウインターシーズンはクロスカントリースキー、グリーンシーズンは山を走るトレイルラニングと、山をフィールドに活動するプロマウンテンアスリートのヤマケンさんこと山本健一さん。激しい競技故に、ケガとはいつも隣り合わせだ。「何度ケガをしてもやっぱりマウンテンスポーツは面白い、だからやめられない」と言う彼のフィジカル面をサポートするのは山岸茂則氏。2人はどのように出会ったのだろうか。
ヤマケンさん「出会ったのは2013年、古傷である膝がどうしようもなく痛くなったときですね。僕のケガの歴史は20歳のときにさかのぼり、大学時代、スキー部でモーグルをしていて着地を失敗し、前十字靭帯と半月板を損傷。それ以来、ケガとともにある競技人生なんです。このケガ以降に半月板は切除。その後はしばらく調子がよかったのですが、トレーニングなどで酷使が続いてとうとう悲鳴を上げたのです。日常生活でも膝の神経が圧迫される違和感から始まり、とてもじゃない、走れないというところまで痛みが強くなっていました」
山岸氏「かれこれ8年になるんですね……。共通の知人の紹介で施術を受けに来たのです。それ以来、チームヤマケンの一員として、彼の体をずっと見ています」
ヤマケンさん「日常的なケアは地元の酸素ルームやトレーナーさんのところに行き、大きなけがやどうにもならない痛みのときは山岸先生に相談。山岸先生は、体の仕組みのこと、本当に詳しんです。だからケガのことや体の使い方などを細かく見ては評価してくれます。それに加えていつも❝大丈夫、大丈夫❞と言ってくれるのでケガへの不安や回復への焦りなどを和らげてくれ、精神面でもサポートいただいています。とても頼もしい存在です」
2. 初めて耳にした『バイニーアプローチ』
知人の紹介で、はじめて山岸氏の施術「バイニーアプローチ」を受けることになった。それまでは地元で定期的にカイロプラクティックを受けたり、ケガをすれば整形外科に通ったりと施術院や治療院でさまざまな施術を受けてきた。その方法とは全く違い、「バイニーアプローチ」は驚くほどソフトタッチで施術をする。体をゆらゆらゆらしたり、骨の具合を触診したりしながら行う山岸氏の施術を、どのように理解しているのだろうか。
ヤマケンさん「ベッドに寝て、ケガをしている箇所だけではなく、全身に触れて首のまわりだけをずっと手で揺らしたり動かしたりしている時もありました。不思議と心地よくて、ここに来るとすぐ寝てしまうんです。でもあるとき、❝何をしているんですか?❞と聞いたら、❝骨の位置を元の位置に戻す作業をしているんです❞と説明されました」
山岸氏「痛みが出る場所やその原因となっている場所の特徴というのは、筋肉や骨、靭帯などを包む膜組織というものがあって、それが硬くなっています。硬くなることで、痛みが出たり、動きを妨げたりするのですが、それには2つの原因が考えられます。ひとつは硬くなった膜組織に神経が巻き込まれてしまい、その神経が引っ張られて痛みを引き起こす、また動きの指令を届きにくくさせてしまう。もうひとつは、体の使い方のクセなどによって、違和感や痛みが出た箇所の周りの膜組織が硬くなり、本来あるべき位置ではない場所に骨があり、関節の動きなどを妨げてしまっていて違和感が出ることがあります」
ヤマケンさん「初めて山岸先生の施術を受けたときは、膝を診てもらおうと思って行ったけれど、首や背中などの施術に時間をかけていましたね。でも終わってみると不思議と痛みが和らいでいるのを感じました。また別の時に、クロスカントリースキーで疲労がたまった足首が急に動きづらくなり、動かすと詰まった感じがあったんです。そのときはとにかく足首をいろんな方向に動かしてずっと触っていたのですが、施術が終わると足首が今まで通り自由に動く、いい位置の骨や関節があるのを感じました。これが先生の言う骨の位置を戻す施術なんだと実感した瞬間でした」
3. 『Northwest Superglass®』の使い分けで「足力」が高まる
右膝に大きな爆弾を抱えているとはいえ、ケガは膝だけではない。2020年の秋、母校である信州大学でボルタリングのトレーニングをしていたときに悲劇が起こった。のぼりきってマットに飛び降りたその時、マットのつなぎ目に足首が挟まり、前距腓靭帯断裂。すぐにレントゲンとMRIを撮り、松葉杖生活が始まったのだ。
山岸氏「ケガから1か月くらいでようやく松葉杖なしで歩けるようになった頃から復帰へのプログラムを本格的に考えました。ケガをした左の足首を見たとき、相当不安定な状態でした。そこで施術と並行して、ノースウェスト・ポディアトリック・ラボラトリー社(NWPL社)のファンクショナル・オーソティクス(足の動きを最適化する医療用足底挿板)である『Northwest Superglass®』を使うことを提案しました。ケガをしていないヤマケンの足なら足元の動きは適正の範囲内におさまっており、その結果、歩いたり走ったりすると足が内側に倒れたり、外側に倒れたりという適切な動きをします。しかし、ケガの影響で足首が不安定だったので、正常に足を使う感覚を取り戻すために提案したのです」
ヤマケンさん「最初の印象は硬い!こんな硬いインソールを使ったことがなかったので驚きました。でも硬いとは、いい意味で、です。地面からの反力を直接受けることができる。沼を歩くより、舗装された道路を歩くほうがラクですよね。まさにこの感覚。普段履くシューズに入れて平地を歩くところからはじめ、次は不整地を、その次はジョグを、最後はトレイルへと段階を追って5カ月かけてようやく山に戻れました」
山岸氏「『Northwest Superglass®』を使ってから驚くほどの回復力でしたね。これを使って歩いたり、ジョグをしたりといった刺激によって靭帯が徐々に締まっていくのが施術をしていてもわかりました」
ヤマケンさん「『Northwest Superglass®』は、ほかのインソールが普通自動車だとすると、F1カーみたいなもの。普通自動車は免許さえあれば誰でも乗れるけれど、F1カーのような精密機械は乗りこなせない。『Northwest Superglass®』に足をのせて本来足に備わっている適正な動きで歩いたり、走ったりしなければ、性能を発揮してくれません。僕は山でのトレーニングを開始してしばらくしてからは、『Northwest Superglass®』は普段のシューズだけにし、トレーニングではもう少しシューズの中で自由が利くインソールにと使い分けました」
山岸氏「足首の安定性が取り戻せたことと、彼が元来持っている足の特徴と、ある程度足がシューズの中で動くことで体のバランスをとるトレイルランニングという競技の特性から、トレランのときは必要ないと判断し、使い分けを勧めました」
ヤマケンさん「日常生活で『Northwest Superglass®』を使うことで、足の骨の位置がいいポジションにあり、その矯正によって足首が安定するというある種、成功体験みたいなものを感じていました。だから、トレーニングのフィールドを山に戻しても安心して走れました。しかも『Northwest Superglass®』は医療用なので、どういう仕組みで痛みが軽減していくとか動きに影響を与えるのかといった知識を持って使うことで、回復を実感できる、走ったときに自信が持てる。治療や施術、こうしたアイテムはどういうもので、なぜ自分のケガに有効なのかを知っておくことは、とても意味があることだと思います」
4. 41歳にして人生最高のパフォーマンス
2年前、高校の教諭からプロに転向。体育を教えながら山岳部とスキー部の顧問をしていてそれももちろん楽しかったというヤマケンさん。だから部活にものめり込んで。そうなると自分のトレーニングや家族との時間がない。でも今は存分にトレーニングもできて本当に幸せだという。
山岸氏「私から見てこの数年は、私が関わり始めた頃より調子がいいように思います。去年、自分プロデュースで甲斐の国トレイルを4日間、336㎞を走っているのを見たときは、本当に人生絶好調だな思いました」
ヤマケンさん「最近は僕の弱点でもある右膝をとにかく鍛えています。それは『Northwest Superglass®』を使ったことによって、右足の安定性も出てきて不安が減ったことが大きいと思います。今までは、負担をかけないように、と反対の左足を強化してきましたが、安心して右足にも刺激を入れるトレーニングができています。そういったトレーニングもそうですし、やはり支えてくれる仲間に恵まれています。
こうして僕の体をメンテナンスしてくれる山岸先生は実はメンタル面でもすごく支えてくれています。大きなけがをしても必ず❝大丈夫❞と言ってくれ、自分がすること、決めたことをすべて認めてくれる。体の状態に対して、今を起点にしてよくなることしか言わないのもすごく自分にとっては心の支えになっている。
どうしても経験や年齢を重ねると、前はこれくらいできたのに、これくらいは回復したのに…と思ってしまい、焦りが出てくる。でも現時点から見てどうするのがいいかしか言わない山岸先生の言葉は、今より1歩でも前にという気持ちにさせてくれるので、競技もすごく楽しく向き合える。ケガがきっかけで出会いましたが、僕は大きなけがをするたびに、自分の人生を変えてくれる人に出会っている気がします。山岸先生もその一人。だから今は気持ちも体もとても充実しています。大きなけがで長期間離脱もなく、トレーニングも思ったように積めています。そのおかげで去年の10年来の夢だった甲斐国ロングトレイル(詳細は"山本健一「自分をさらけ出す旅〜甲斐国ロングトレイル PASaPASA」"をご覧ください。)を走りきれました。今年も自分プロデュースで、レースではなく旅や冒険といった気持ちでロングトレイルを自由気ままに、好きな仲間と走れるといいですね」
撮影/金井真一 取材・文/峯澤美絵 協力/WebMagazine GRANNOTE
お話をお伺いした方
山岸茂則さん
専門理学療法士(運動器系)。『SONA高田』院長。専門学校卒業後、飯山赤十字病院リハビリテーション科に22年勤務。舟波真一氏とともに「バイニーアプローチ」という独自の治療法を開発し、独立し現在に至る。施術だけでなく、講演会、講習会なども行う。著書は『痛みはうつぶせで治しなさい: 腰痛、ひざ痛、肩こりのない長持ちするからだをつくるには』(小学館)ほか
施術活動でご利用頂いている医療用足底挿板のファンクショナルオーソティックス®
Northwest Superglass®
(ノースウェスト スーパーグラス)
主な特徴
- Northwest Podiatric Laboratory社(以下、NWPL社)の最高峰フラッグシップモデルの医療用足底挿板であるファンクショナルオーソティクス®です。
- 「機能的な」という意味のファンクショナルの名の通り、ひとりひとりの足の骨配列や形状を考慮して、足の適切な動きをサポートすることを目的としています。
【施設DATA】
BiNIアプローチは、ほかにもここで受けられます!
(兵庫県) リハビリサービス&整体 Physical Harmonie 芦屋
(リハビリサービス アンド セイタイ フィジカル アルモニー アシヤ)
HP: https://physical-harmonie.net/
TEL: 0797-61-7003
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